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「見えない敵」を捉える。微細孔薄膜技術×IoTが切り拓く、植物病原菌の「予兆」検知システム

  • 執筆者の写真: knowhowsynch info
    knowhowsynch info
  • 12 分前
  • 読了時間: 3分

農作物の病害は、目に見える症状(葉の変色や枯れ)が出てからでは、すでに対策が手遅れであることが少なくありません。 もし、空気中や土壌中を漂う「病原菌」そのものを、感染が拡大する前に物理的に捕まえて検知できたらどうでしょうか?

Knowhowsynchでは現在、**日本の特殊な特許技術を用いた「薄膜(メンブレン)」**を活用し、植物病原菌の挙動を可視化する新たなIoTソリューションの開発・実証を進めています。


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1. 農業現場の課題:見えない病気との戦い


うどんこ病、炭疽病、あるいはカビ由来の病気など、植物を襲う病原菌の多くはミクロの世界で活動しています。 これまでの農業では、経験豊富な農家の「目視」が頼りでしたが、それでは広大な圃場を24時間監視することは不可能です。また、予防的な農薬散布はコストがかかり、環境負荷も懸念されます。



2. コア技術:特定のサイズだけを通す「魔法のフィルター」


私たちが注目したのは、日本発の高度な微細加工技術による薄膜です。 この薄膜は、ナノ~マイクロレベルで制御された極めて精密な孔(あな)を持っており、「ある一定の大きさ以下の物質だけを通す」という物理的なフィルタリング機能を持っています。


この技術をどう農業に使うか?


植物の病原菌(胞子やバクテリアなど)は、種類によって特定のサイズを持っています。この薄膜をセンサーの「入り口」に設置することで、以下のプロセスが可能になります。


  1. 物理的選別: 風や水に乗ってやってくるゴミや砂埃などのノイズ(大きな粒子)はシャットアウトする。

  2. ターゲットの通過: 狙った病原菌のサイズだけが、この薄膜を通過する。

  3. 濃縮・検知: 膜を通り抜けてきた「容疑者(病原菌)」だけを、内部の観察エリアに誘導する。


これにより、砂場の中からダイヤモンドを探すような難しい検知作業が、劇的にシンプルになります。



3. IoTによる遠隔監視と自動化


薄膜によって選別された病原菌は、高解像度のマイクロスコープ(顕微鏡)デバイスやセンシング技術によって捉えられます。 ここでIoTの出番です。


  • リアルタイム画像解析: 捕集した微粒子の画像を解析し、病原菌の特徴と一致するかを判定。

  • アラート通知: 「〇〇病の胞子が検知されました」とスマホに通知。

  • 発病前の先制攻撃: まだ症状が出ていない段階で、ピンポイントな防除や環境制御を行う。



4. 今後の展望


この技術は、特定の病原菌検知に留まらず、フィルタリングのサイズを変えることで様々な農業課題に応用可能です。 Knowhowsynchは、この「物理的な特許技術」と「デジタルの目」を融合させ、経験や勘に頼らない、科学的根拠に基づいた農業防疫システムの確立を目指しています。




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